2009年12月06日

ボタン(その2)

ところで,我が家の1歳の次男は,最近「ボタン」が大好きである。洋服のボタンも好きだし,電気のボタン(スイッチ)も好きだし,インターホンのボタンも好きである。ボタンを見ると必ず押したがる。パパの洋服のボタンを押すと,パパは「あっ」とか「ブー」とか言う。

もちろん,エレベータの「非常ボタン」やバスの「降車ボタン」も好きである。最近のバスは,小さな子供や車椅子の人でも押せるような位置に「降車ボタン」が付いているので,次男と乗るときは気が気ではない。間違えて押してしまい,運転手に「ごめんなさい,子供が間違えて押してしまいました」と言ったとしても,そのバス停で他に下りる客がいるかもしれないのだ。

とりわけ,バスの降車ボタンは,押すと赤いランプが付くのがとてもお気に入りである。本当は自分で押したくてたまらないのだが,他人が押してすべての降車ボタンが赤く光ったときも興奮冷めやらない。長男のときはこんなことなかったのだが。

今日の夕方,次男と2人で駅前からバスに乗った。自宅最寄りのバス停は終点のすぐ手前なので,しばらくボタンを押すのは我慢させなければならない。夕刻だったが乗客は少なく,小さな子供は他にはいない。

しばらくバスが走り,停留所の案内放送。「次は××です。お降りの方はお近くのボタンを押してお知らせください」「ピンポン」。すべてのボタンの赤ランプが点灯。

次男:「アッ」

「次は××です。お降りの方は・・・」「ピンポン」

次男:「アッ」

静かな車内に響き渡る嬌声。3回目くらいで,他の乗客たちは「ピンポン→赤ランプ」と「アッ」の関係を理解したらしく,ほぼすべての乗客たちがこちらを見て微笑むようになった(気がした)。

ようやく我々が下りる停留所の手前。それまでしっかりと抱いていた腕を緩めて降車ボタンが手に届くところへ。小さな指を伸ばして「ピンポン」

次男:「アゥゥゥゥゥ〜」

至福の笑顔。他の客たちも至福の笑顔。
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2009年12月05日

もちつけず

土曜日。今日は長男の幼稚園で「もちつき大会」がある日なのだが,パパは古巣での重要な仕事のため早朝から出勤。家族がまだ皆眠っているあいだにそーっと家を出ようとしたら,むっくりと長男が起きてくる。

「あれ,パパ,どこいくの?」
「あ,おはよ。パパきょうお仕事なの。」
「えー,きょうようちえんでおもちつきだよ。」
「ごめんね。今日は一緒に行けないんだ。」
「・・・」(泣き顔)
「まだ早いから,もうちょっと寝てなさい。ママたち起こさないようにね。」
「わかった。」(泣き顔)
「そんな顔しないの。パパの分もついてきてね。」
「うん。」(ふくれ顔)
「あんまりおもち食べ過ぎちゃダメだよ。」
「うん。」

罪悪感たっぷりのまま,電車で古巣(第二の勤務先)へ出勤。

帰りは遅くなったので,子供たちはすでに夢の中である。食卓の上に,「パパ」と書いた紙と巨大な餅が3つ置いてあった。
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2009年11月26日

いちばんいい席

新幹線で某所へ出張。帰りの指定席をとったら「いちばんいい席」が当たった。

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2009年10月30日

ポリーニの平均律

心待ちにしていたディスクをようやく入手した:



なんと,ポリーニがバッハを初録音。リサイタルでは時々アンコールなどで取り上げていたようなのだが,10年ほど前(ひょっとしたらもっと前かも)のインタビューで,この曲集は自身で研究を重ねて納得するまで録音はしない,とか明言していたので,しばらくはコンサートに行かない限りは聴けないんだろうと思い続けていたところへの朗報。

何と言っても,平均律クラヴィーア曲集である。ベートーヴェンのピアノソナタ集が「新約聖書」,これが「旧約聖書」というのが,ピアノ界の常識である。確かボイジャーの何号だったかに載せられたゴールドディスクの中身は,かのグールドの平均律ではなかったか(違ったかも)。

とにかく,本人が納得するまで録音しないと言っていたくらいだから,万を辞して,じゃなかった,満を持して自信を持ってリリースしたに違いない。これは期待しないほうがおかしい。第2巻も間もなく録音?

襟を正して1番から順に聴いてみた。音楽はバッハだが,どういうわけかベートーヴェンの後期のソナタ,あるいはショパンのエテュードに通じる何かを感じる。グールドのバッハも強烈だが,これも実に強烈。何かしながらBGMで聴くのは失礼というか,ちゃんとした再生装置とそれなりの音響空間を準備して1人だけで没頭できる状態で聞かなければならないというか,これが真の芸術だ,というアピールすら与えている。あと20回くらい聞かないとこれ以上のコメントは書けないけど,歴史的名盤になることはほぼ間違いない。
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2009年10月18日

エリア

メンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」。サヴァリッシュが1986年(私が高2のときだ)にN響60周年かつ第1000回公演で演奏したときのライヴ録音:



3年ほど前に,小澤征爾氏がサイトウキネンフェスティバルで取り上げていたが,曲の素晴らしさの割に,なぜか日本ではあまり知名度が高くない気がする。全曲2時間の大曲だが,バッハのマタイ受難曲,モーツァルトのレクイエムと並べてもまったく遜色ない音楽的内容なのである。

上のN響1000回のときの演奏(映像)を,当時は年末に必ずやっていた「音楽ハイライト」で(終曲だけだったが)見て身震いし(高校2年のときである),以来ずっと惚れ込んでいろいろな演奏(といっても5種類くらい)を聴きまくった。1997年の秋には,NYCのカーネギーホールでこれを全曲マズア&NYPのライヴで聴いた。チケット発売2日目くらいに窓口に行ったのに,すでに良い席は完売で後ろのほうの安い席しか残っていなかったのだが,あの時は事前にフルスコアを購入して持参し,音符と歌詞を追い掛けながら聴いたら2時間があっという間だったのが昨日のことのようである。

これのピアノ編曲版の楽譜がないかなと探しているが,いまのところ見つからない。自分で作ってみるか?
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2009年09月10日

シール

こんなシールが大量に出てきた。

seal5.jpg

さて,これは何をするためのシールでしょう? 早押しスタート。
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2009年08月13日

レリーク

フランツ・シューベルトのピアノソナタに傾倒というか猛然とはまり始めたのは最近のことではなく,20代前半の頃からであるが,年を取ると共にどんどん深入りし,もはやこれなくして生きていけないレベルになりつつある。誰だったかが,仮にモーツァルトとベートーヴェンとショパンのピアノ曲がこの世から消えてしまっても我慢できるが,シューベルトのピアノ曲が消えてしまったら困る,と書いていたが,極めて同感である。

モーツァルトはともかくとして,ベートーヴェンもショパンも私にとっては疎かにできない作曲家なのだが,シューベルトは別格。音楽的にどちらが良いとか悪いとかの問題ではなく(ちなみに,一般的にはシューベルトは歌曲王として名を馳せた人であって,ピアノ曲の評価はさほど高くない),私の(特にここ数年の私の)精神状態の波長に合い過ぎなのである。

ところで,数年前にNHKのスーパーピアノレッスンにも登場していたミシェル・ダルベルトが,そのシューベルトのピアノ曲全集なる秀逸なCD-BOXを出しているが,その中にある何曲かの解釈が極めて面白い。シューベルトのピアノソナタは,最後までちゃんと完成した曲の割合が少なく,一部の楽章しか完成していなかったり,中には途中までで切れてしまっている,つまり未完の楽章が含まれていたりで,一般のピアニストはそういう曲はまず演奏しないし,たまに演奏されても適当にアレンジする(あるいは著名な編曲家によるアレンジを使う)ことが多い。ところが,ダルベルトは,原譜に極めて忠実に,楽譜が途中で切れてしまっているところはその通り途中でプツリと切れた演奏を録音しているのである。

一般に第15番とされているハ長調 D840(通称レリーク)は,完成している2楽章までしか録音しないピアニストが多い中,ダルベルトは第3楽章と第4楽章も入れている。第3楽章のメヌエットは,楽譜をパッと見る限りではほぼ完成しているのだが,よく見ると,トリオに入る手前でメヌエット部分がプツリと切れている。解説書によると,シューベルトはそこの直後に乱雑な字で「USW, USW」と殴り書きをしたらしい。

また,第4楽章は,仮に最後まで完成していれば全楽章通じて素敵なソナタになり得たのに,やはり途中でプツリと切れる。その切れる2小節前には左手の伴奏が消え,右手のメロディも突然消える。あまりに不可解な仕事の投げ出し方なのだが,何らかの事情があって完成させるのを諦めたのだろう。

それにしても,ここ1年ほどの私の状態は,この「レリーク」ソナタの他には喩えが思い付かない。
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2009年07月24日

ASJどら焼き

某学会の偉い人たちが集まる会議(役員会と称する)で出されたおやつ:

asjdora.jpg

よーく見ると,なんと学会のロゴ入りである。
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2009年06月16日

エキエル版

ずっと前にも書いたことがあるのだが,ショパンの楽譜で最も信頼のおける版としてヤン・エキエル編のナショナル・エディションというのが少しずつ出版されつつある。10年くらい前までは,ショパンをちゃんと勉強する音大生などが最もよく使っていた版は,おそらく「パデレフスキ版」だったはずで,いまでもかなり使われていると思われるが,ショパンの楽譜の校訂というのはポーランドの国家事業であり(なんせ「パデレフスキ版」を作ったパデレフスキは,ピアニスト兼音楽学者でありながらポーランドの首相まで務めた人物である),国のお墨付きを得た最新版が「エキエル版」なのだから,無視するわけにはいかない。

ちなみに,私の楽譜書庫には,この作曲家に限って同じ曲集が何種類もの版で集めてあるので,100冊近くもショパンの楽譜がある。ベートーヴェンやシューベルトなども,複数の版を持っている曲集があるが,ショパンに関しては,エキエル版,パデレフスキ版,コルトー版,ヘンレ版,ペータース版,ウィーン原典版,全音版などと,メジャーなやつだけでもいろいろあって,それぞれ10〜30冊以上から構成されているのだから,全部集めようとすると非常に厄介である。

問題なのは,その「最も信頼のおける」エキエル版が,まだ完全に出版されていないこと。いちおう2010年完結予定となっているが,本当に完結するのかどうか怪しい。オリジナルがポーランドの出版社であり,日本に輸入されてきているものは,日本語の解説リーフレット入りのものもあればポーランド語と英語の解説だけだったり,最近日本の出版社が頑張って「日本語のエキエル版」を出版し始めたかと思いきや,2冊出したきり一向に次が出てこなかったりで,早く全部集めたい身にとっては,じれったいというか待ちくたびれるというか。

ちなみに,これを全部揃えると37冊にも及ぶ。これまでに収集したのはまだ15冊。しかも,1冊あたり5000円前後と非常に高価である。英語版のカタログページによれば,37冊中25冊はすでに出版済みらしいから,あと10冊はすぐにでも入手可能なはずだが,銀座のヤマハに行っても,世界中の楽譜通販サイトを探しても,品切れなどでなかなか入手できない。

それにしても,残りの12冊も完結したとして,あと22冊。1冊5000円として11万円もかかるらしい。ふぅ。
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2009年05月30日

段差

ショパンのバラード第1番,130小節目からの上昇音階部分(譜面は129〜134小節):
cho_bal1_51a.jpg

私の下手な演奏(126〜136小節付近):

弾くのもなかなか難しいのだが,ここの右手の構造はどうかしている。2音ずつ下と上にばらすと,下側は Bb - Cb - C# - D - E - F - G - Ab と1音ずつ上がるのに対して,上側は D - D - F - Ab - Ab - Cb - Cb - D - D - D - F と,レファラドを1〜3音ずつ,局所的に見ると不規則な個数ずつ叩かなければならない。そのたびに度数が変わるので,実に難儀である。しかも,オクターヴ上がって同じ音階が始まる箇所が,左手の和音とピッタリ合わない。

音響的にもかなり不気味な不協和音の連鎖になるから,誰の演奏を聞いても効果抜群なのであるが,どうしてこんな曲が作れるんだろうと,とりわけ感心する部分である。ショパン絶賛。

ちなみにこの曲,中学生の頃からショパンの作品で最も好きな曲の1つなのである。
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