2010年06月09日

ブレンデルのショパン

歴史上最も代表的なピアノ曲の作曲家といえばフレデリック・ショパンであろうから,どんなピアニストでも必ずショパンを弾く,あるいはショパンの曲がレパートリーに入っているかといえばそうでもない。「ショパン弾き」として有名なピアニストは山ほどいるが,「ぜったいショパン弾くもんか」というピアニストも存在し,その中でおそらく最も有名なのがアルフレート・ブレンデルであろう。ベートーヴェンやシューベルトなどのドイツ系作曲家のピアノ曲を正統的に弾いてきたこのピアニストには,そもそもショパンなどは似合わないし,2008年末頃に彼はピアニスト活動からの引退を表明しているから,今後弾かれることもあり得ない。

ところがである。探してみると出てくるのであって,1968年に5曲のポロネーズ(4〜7番とアンダンテスピアナート付きの華麗な大ポロネーズ)を録音している。おそらくこれがブレンデル唯一のショパンの録音であろう。インタビューなどでは「私は決してショパンは弾かない」と言っていたのに,何を間違えたのか,あるいは何か録音すべき特別な理由があったのか。

NAXOSのMusic Libraryにこのディスクが入っていたので聴いてみた。なんとも不思議なショパンである。グールド,ポゴレリチ,ブーニンなどのショパンも不思議(というか非正統的)だが,彼らは自ら意識してそう弾いているのに対して,ブレンデルのショパンは決して奇をてらっているわけではない。決して下手ではないし,B級というわけでもない。譜面通りに弾いてはいるが,なんとなくアレンジが加わっているように聞こえてしまうのである。いろいろ調べてみると,すでにベートーヴェンその他の演奏で名声を得た後にも関わらず,この録音が出た当時の反応はほとんど無視に近かったようである。そういう論評を知ると,なおさら気になってしまうのだが,うーん,なんだこのショパンは。
posted by gecky at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。