2009年06月16日

エキエル版

ずっと前にも書いたことがあるのだが,ショパンの楽譜で最も信頼のおける版としてヤン・エキエル編のナショナル・エディションというのが少しずつ出版されつつある。10年くらい前までは,ショパンをちゃんと勉強する音大生などが最もよく使っていた版は,おそらく「パデレフスキ版」だったはずで,いまでもかなり使われていると思われるが,ショパンの楽譜の校訂というのはポーランドの国家事業であり(なんせ「パデレフスキ版」を作ったパデレフスキは,ピアニスト兼音楽学者でありながらポーランドの首相まで務めた人物である),国のお墨付きを得た最新版が「エキエル版」なのだから,無視するわけにはいかない。

ちなみに,私の楽譜書庫には,この作曲家に限って同じ曲集が何種類もの版で集めてあるので,100冊近くもショパンの楽譜がある。ベートーヴェンやシューベルトなども,複数の版を持っている曲集があるが,ショパンに関しては,エキエル版,パデレフスキ版,コルトー版,ヘンレ版,ペータース版,ウィーン原典版,全音版などと,メジャーなやつだけでもいろいろあって,それぞれ10〜30冊以上から構成されているのだから,全部集めようとすると非常に厄介である。

問題なのは,その「最も信頼のおける」エキエル版が,まだ完全に出版されていないこと。いちおう2010年完結予定となっているが,本当に完結するのかどうか怪しい。オリジナルがポーランドの出版社であり,日本に輸入されてきているものは,日本語の解説リーフレット入りのものもあればポーランド語と英語の解説だけだったり,最近日本の出版社が頑張って「日本語のエキエル版」を出版し始めたかと思いきや,2冊出したきり一向に次が出てこなかったりで,早く全部集めたい身にとっては,じれったいというか待ちくたびれるというか。

ちなみに,これを全部揃えると37冊にも及ぶ。これまでに収集したのはまだ15冊。しかも,1冊あたり5000円前後と非常に高価である。英語版のカタログページによれば,37冊中25冊はすでに出版済みらしいから,あと10冊はすぐにでも入手可能なはずだが,銀座のヤマハに行っても,世界中の楽譜通販サイトを探しても,品切れなどでなかなか入手できない。

それにしても,残りの12冊も完結したとして,あと22冊。1冊5000円として11万円もかかるらしい。ふぅ。
posted by gecky at 23:55| Comment(1) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
楽譜の話よかったです。
私は楽譜が好きなので楽しく読ませていただくことができました。ありがとうございます(^^)
Posted by 由美香 at 2013年04月03日 16:19
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