2006年01月07日

電子化の話(その2)

ところで,電子化を推進しているのは何も私だけではなくて,世の中すべてそうである。私が関係しているたいていの学会では,過去の出版物(学会誌や論文誌)をすべて電子化するという事業が進行中あるいはすでに完了しているし,国際会議で予稿集がCD-ROMあるいはDVD-ROMで配られるのはもはや常識である。そういう風にまとめられている,あるいは配布されるCD-ROMの類は,ひょっとしたら二度と見ないかもしれないようなものでも極力入手しておくのがよい。紙媒体で同じことをやろうとすると,広大な保管スペースを要求されるが,CD-ROMならば僅か直径12センチである。

さて,学会の世界はあまり一般的でないので,もっと一般的な話から始めよう。家電製品などの「マニュアル」である。何でもよいが,たとえばパソコン,ビデオデッキ,デジタルカメラ,携帯電話,エアコン,冷蔵庫,自家用車などを買うと,けっこうな厚さのマニュアルが付いてくる。さすがに最近は以前のように「マニュアルセット」という箱が添付されることは少なくなったが,それでも厚さ1センチ近いマニュアルの付いてくる製品は多い。

マニュアルというのは,製品を購入した直後にパラパラと(性格によっては丁寧に)読んだ後は,滅多に開くことがないのだが,だからといってすぐに捨ててしまえるものでもない。いつか特殊な機能について知りたいかもしれないし,動かなくなったときに対処法を調べなければならないから,大事に保管しておくのが普通だろう。厚みのあるマニュアルは,本のようなので,つい本棚に並べてしまう。そうしていつの間にか幅30センチほどもマニュアルが並んでいるコーナーができる。これはスペースの無駄だし,見栄えも決して綺麗ではない。

よくしたもので,最近は非常に多くのメーカで,PDF化されたマニュアルをWebに載せてくれてある。製品に同梱されているものとまったく同じマニュアルのPDFファイルが,Webページ上を探すと見つかることがけっこうある。私が愛用している製品の多いS社やI社などの場合は,現在発売されている製品のマニュアルはすべてWebに載っている。マニュアルに限らず,製品カタログやパンフレットでさえ,紙媒体と同じ内容のPDFが公開されているのである。

本の場合は,たとえ二度と読まないにしても,「物体としての書物」を持っている意義もあるので(実は,こういう「物に対する情」が,電子化を難しくする理由の1つであるのだが,そういう話はまたいずれ),簡単に捨ててしまえないのだが,所詮は質素な装丁のマニュアル,同じものが電子ファイルで入手できるならば,購入直後にパラパラと見た後は,PDFファイルをダウンロードして保存した上で捨ててしまって何ら困らない。(いつでもネットワークに繋がるのなら,ダウンロードする必要もないかもしれない。私は性格的に「常に手元に置いておきたい」ので,現状ではローカルのハードディスクに保管している。)

メーカによっては,こういうことに優れたセンスの社員がいるのか,現在発売している製品に限らず,過去の(すでに生産完了した)製品のマニュアルも,PDFでWebに載せているところがある。私の手元には,そうして集めたPDFマニュアルがすでにCD-ROM2枚分ほどある(実際はCDにはしていないが)。これをすべて紙で保管していたら,幅1メートルくらいになるに違いないので,この「電子化効果」は抜群である。でしょ?
posted by gecky at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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