2005年08月30日

白川氏を探す話

コンピエーニュに来る直前に,こちらでの勤務先の大学関係者とたびたびメールのやり取りをした。ほとんどが仕事上の用件だったが,中には親切な人がいて,この町で生活するにあたってのいろいろ役立つ情報を事前に教えてくれた。買い物はどこでできるか,公園や散歩コースはどこがいいか,等々,実際にも役立つ情報で感謝したのだが,それらの情報に混じって,コンピエーニュで日本の文化に触れたいのならどうのこうの,という情報があった。

1年も2年もここで暮らすのならそういう必要もあるかも知れぬが,ほんの1か月程度の滞在の間に,なぜわざわざ日本文化に触れる必要があろう。まぁ中には異国にやってきて数日でホームシックにかかってしまい,日本語が喋れるコミュニティや日本料理店が必要になる人がいるのかもしれないし,せっかく好意で送ってくれた情報なのでそのメールは有り難く受け取った。

受け取りはしたが,当該の部分はあまりちゃんと読まなかった。まったく読まなかったわけではなく,英語で(私はフランス語はあまり得意でないので,メールのやり取りはすべて英語である)「日本文化に関しては Shirakawa さんに連絡を取るとよい」というようなことが書かれているのは,なんとなくだが読んだ(なんとなくなので,はっきりそう書かれていたかどうかは知らないけど)。こちらはもとより僅か1か月の間に日本文化に触れる必要などないので,その白川さんとやらに会う必要もないが,そういう人がコンピエーニュの町に住んでいるんだなぁ,という程度の知識は得られた。

さて,こちらで生活を始めてしばらく経ったある日,街路の標識や看板を見るともなく眺めながら歩いていたら,ある看板に日本の国旗が描かれており,その横に "Shirakawa (Japon)" と書かれていた。その上に何やら数単語のフランス語が書かれていたが,知っている単語ではなかった。Shirakawa って誰だろう,と思いかけてすぐに,そうだあの先生からのメールに書かれていた人の名前も確か Shirakawa だったな,と思い出した。白川氏は,道路の看板に名前が出るほど有名な日本人なのか,とちょっと興味が湧いた。

さらにしばらくして,昨日書いた Carrefour(交差点)の看板に,何と "Carrefour de Shirakawa" というのがあるのを発見した。確かに Shirakawa である。一体この白川氏は何者なのだろう?

家に帰り,さっそく Google に "Compiegne Shirakawa" と入れてみたら謎が解けた。白川氏と思っていた Shirakawa は,福島県白河市のことで,コンピエーニュ市と姉妹都市提携を結んでいるとのことだった。
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2005年08月29日

[仏語] カルフール

砲丸投げの玉を見て,まるで大砲の玉みたい,と言うような話。

本場の「カルフール」に行ったという話を以前に書いた。カルフールというのは,フランスでは有名なスーパーマーケットのチェーンで,至るところに巨大なスーパーを展開している。日本にも出店しており(厳密には現在は経営は他社に譲渡し,ブランド名称のみの出店らしいが),幕張にあるカルフールにはしばしば出かける。そういうこともあって,私にとっての「カルフール」は,言うまでもなくこのスーパーマーケットを指す固有名詞である。

フランス語では Carrefour と書く。私が住んでいる町の隣り町にもその Carrefour があり,幕張の店と同じシンボルマークの広告が町中にいくつも出ている。店も巨大だが広告も巨大である。ところが,その巨大広告とは別に,町の中でよくカルフールに出会う。フランスは,英国など他のヨーロッパの都市と同様,道路と道路が交差するところに「ラウンドアバウト(ロータリーとも言う)」が多く設置されており,その中央部分によく Carrefour と書かれているのである。

ラウンドアバウトについてはいろいろ書きたいことがあるのだが,ここでは本題ではないので省略して,だいたいの場合,その中央部分は小山のようになっているか花壇が作られたりしている。その付近に,通行する車からよく見えるように看板が立てられていることが多く,そこに Carrefour de 何とか,と書かれているのだ。

あのスーパーマーケットの Carrefour がこういうところにも広告を出しているのか,とまでは思わなかったが,どうして至るところにカルフールと書いてあるのだろう,と不思議に思って調べてみたら,Carrefour はフランス語で「交差点」のことなんですね。知らなかった。
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2005年08月28日

オールバック

日本では,店や商品の名前によく外来語が使われる。カタカナ語やアルファベットだと何となくカッコイイからという感覚があるのだろう。中でもフランス語は,英語などに比べて語感がいいのか,ハイセンスな商品やちょっぴり高級志向な店の名前に多用される。ただし,フランス語なら何でもいいというわけではもちろんない。一度,東京のどこかで「カフェ・シルブプレ」という名の喫茶店に遭遇したことがあるが,たまたま同伴していてそれを目撃したフランス人によれば「あまりにも可笑しい」とのことだった。

欧米でも,商品名などに自国語以外の言葉が使われる場合があるが,多用されるというほどではない。日本では,日本語の商品名よりも欧米語由来の商品名のほうが多いくらいだが,フランスではもちろんフランス語の商品名が圧倒的に多く,次はおそらく英語である。これは私の場合だが,フランスの街を歩いていてたまに英語の看板に出会うとホッとする。

今日も散歩中にこんな英語の看板に出会った。

ALLBACK

最初は,美容院か理髪店だろう,と思ったのだが,なぜ電話の絵が? ガラスのところには,CYBER INTERNET - JEUX LOCAL ET EN RESEAUX などと書いてある。

よく見たら,オールバックではなくて最初の C が剥がれ落ちていた。(よく見なくても,オールバックという名の美容院があったら可笑しすぎか。あれは和製英語だろうし…)
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人食い土人

「人食い土人と宣教師って何?」というコメントをいただいた。誰でも知っているパズルだと思って例に挙げたのだが,そうでもないらしい。

いろいろなバリエーションがあるのかもしれないが,典型的なのはたぶんこういうパターン。人食い土人と宣教師がそれぞれ3人ずついて,川を渡る2人乗りの船が1艘ある。こちら岸でも向こう岸でも,宣教師の人数よりも人食い土人の人数が多くなってしまうと宣教師は食べられてしまうが,同数か土人のほうが少なければ食べられない。船は1艘しかないので,一度渡ったら誰かが乗って戻ってこなければならない。そういう条件のもとで宣教師が食べられずに全員が向こう岸に渡るにはどうすればよいか。

そういえば,Mさん(女性)の場合もそうだったなぁ。深夜まで飲み会とカラオケで遊んだ後,遅くなったので車を持っている男性3人がMさんを家まで送ろうという話になった。しかしMさんは敬虔な既婚者で(なんじゃそりゃ),夫以外の男性と2人きりでは車には乗りたがらない。男性が2人以上一緒なら構わないとのことで,まず1人の車にMさんと別の男性を乗せて家まで送ってから,便乗した男性のために一度戻ってくる。

ま,Mさんを安全に家に送るのも,ベビーカーを放置することなく妻と私の2人が高速ムービングウォークを体験するのも,土人のパズルよりはよほど簡単だが。それにしても,人食い土人ってのはすごい例えではある。
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世界最速体験

8月19日の記事に「世界最速」のムービングウォークの入口の写真を載せた。実は,あの時は,確かに速いということを確認こそしたが,実際に乗ってみることはしなかった。手すりをしっかり掴め,足腰の弱い人は乗るな,子供や老人は乗るな,大きな荷物を持っている人は乗るな,等々,あまりにものものしい注意書きが入口に大きな文字で書かれていておののいた,のではないが,高速ウォークの進行方向が我々の乗り換え方向と逆だったのと,ベビーカー入り王子を連れていたので(もちろんベビーカーは乗せられない),すぐ脇を走る普通速度のムービングウォークに乗って隣りの高速レーンを観察するだけにとどめたのだ。

がしかし,帰宅後にそのムービングウォークについていろいろ調べていたら,やはり無理してでも乗っておけばよかったと後悔した。モンパルナスのメトロ乗り換え通路に普通よりも速いムービングウォークが設置され,当初は転倒者が続出した,ということは当時の新聞記事を読んで知っていたのだが,それが本当に世界最速であり,具体的にどのような技術で実現しているかについてWeb上の記事を読んで知れば知るほど,やはりこれは乗らずに帰国するわけには行かないと思ったのである。

そういうわけで再挑戦。前回は,本当に必要があって4号線から6号線に乗り換える際にこの通路を通過したが(とはいえ,いくつかある乗り換え駅のうち意図的にここを選んだのだが),今回は,Savres Babylone から Gare du Nord へ行くのに,わざわざ遠回りをしてモンパルナスで12号線から6号線に乗り換えた。高速ウォークが乗り換え方向と逆なのと,ベビーカーを連れているのは今回も同じである。熟考の末,一旦入口側まで普通のウォークで移動した後,妻と私とが交代でベビーカー入り王子と待っている間にそれぞれが1往復(高速+逆向きの普通)するという,まるで「人食い土人と宣教師」のような方法を採用した。

技術的な話は前にも書いたが,実際に乗ってみた感じはこうである。まず,乗り口の部分から時速9kmだと皆転倒してしまうので,初めはゆっくりである。手すりのところどころに手の形が書かれており,そこを掴めとマークがある。足底は玉が転がるような感触で,徐々に加速する。手すりを掴んでいないと確かに転倒しかねない。手の形の間隔がどんどん開き,10mほどで普通のベルトコンベア形式のムービングウォーク(これが9km/h)に切り替わる。そこに乗ってしまえばあとは普通である。降り口が近付くと,再びそろばん玉になり,徐々に減速して終端に着地。このときも手すりの手の形をしっかり掴んでいないと,慣性が働き転倒しそうになる。慣れればそろばん玉部分の上も手放しで歩けるようになると見えて,そうやって颯爽と通過していく人も見たが,だいたいの人は恐る恐る手すりを掴んでいたようである。

世界最速2

(ちなみにこの写真は逆向き普通速度のレーンで撮影。すぐ左側の中央のレーンが高速部分)

正直言って,こういうものに乗ってこれほどゾクゾクしたのは久しぶりである。外が見えるエレベータに初めて乗ったとき以来かもしれない。わざわざ乗りに行ってよかった。皆さんも今度パリに来る機会があったら,ぜひ体験してみるとよい。凱旋門やエッフェル塔を見るよりもぜったいに価値がある。続きを読む
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2005年08月25日

英語使い

勤務先の大学の近くにある Intermarche(インターマルシェ)というスーパーでの出来事。

買い物用のカゴを借りようとと,いわゆる「サービスカウンター」のようなところに近付いていったら,警備員と思しき黒人に声を掛けられた。フランス語はよく分からないのだが,これはあまりに見事な「定型」だったので難なく聞き取れた。

Monsieur, parlez-vous anglais? (英語話せますか?)

まるで NHK の「フランス語会話」に出てくるような文章である。ほとんど反射的に Oui. と答えたら,ホッとしたような顔をする。なぁんだ,フランスでも英語が話せるといいことあるんじゃん,と思いながら見ると,その警備員のそばには中年の女性が立っていて,どうもその女性のために英語のできる人を探していたらしい。

ちょっぴり得意になって,Can I help you? と言うと,女性もホッとしたように Oh, good, thank you, I'm looking for something. It is ... と一気にまくし立てる。その発音から明らかにアメリカ人である。親切に話を聞いてあげたところ,携帯式のガスコンロに取り付ける小型のボンベを探しているとのこと。うん,うん,とうなずいて,なるほど,小型のボンベね,じゃちょっとお店の人に聞いて…,というところまで来て初めて,自分もこの女性とまったく同じ立場だということに気づいた。

You know, I understand what you want. But the big problem is, I don't know the word "gas cylinder" in French!

調子に乗るもんじゃないね。
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[仏語] シ

英語で,Don't you 〜 のような形の疑問文(否定疑問文)は,我々日本人には厄介であるという話を拙著に書いた。日本語では,「××ではないの?」に対して「はい」と答えれば××ではないことを意味するが,英語で Don't you ×× ? に対して Yes. と答えると××であることを意味するからである。

さて,フランス語ではどうかというと,論理は英語と同じであるが,疑問文に対する答えには Oui(はい),Non(いいえ)以外に Si(ne 〜 pas に対して,〜でなくはない)という答えがある。ドイツ語でも Ja(はい),Nein(いいえ)に対して Doch という答えがあるのと同様である。

私の場合,英語の会話では相変わらずこの「否定疑問文への答え」での間違いをよく犯してしまう。You don't 〜,に対して No. と言ってしまってすぐに「あ,しまった」と気が付くようにはなったが,「この料理おいしくないですか?」と聞かれて「いや,おいしいよ」と言いたいのに No. と言ってしまうような状況では,すぐに訂正したとしても相手との関係は気まずくなる。これまでに何度 "No... I mean Yes!" (あるいはその逆)と言ったことか。

フランス語やドイツ語では否定疑問に対する別の答えがあるからといって,あまり状況は改善しない。むしろややこしくなるだけである。じっくり考える時間があればよいが,何か聞かれて答えなければならない状況では,Oui か Non のどちらを発するかで精一杯なのである。いったい Si や Doch を使う人々の頭はどうなってるのだろう?
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2005年08月23日

[仏語] ドンク

英語の therefore あるいは so である。donc と書く。「だから」とか「それでさ」とか「さて」のような場合に発せられるので,他の接続詞よりも強調されることが多く,耳に残る。

ところで,フランス語の発音ルールからすれば,後ろに母音が続く場合を除き,本来は最後の -c は発音しないはずである。つまり「ドン」になるはずである。しかるに,ほとんどの人は「ドンク」と言う。時には「ドンクー」と伸ばす。辞書にも,正式には「ドン」であるが話し言葉では「ドンク」が好まれる,などと書いてある。
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2005年08月22日

最初の記憶

人間はおおよそ何歳頃から一生覚えていられるような記憶を保持できるのだろうか?
…と,自分の記憶を遡ってみると,確実なのは3歳,もしかしたら2歳半である。どんな記憶かは書かないことにするが,正確に日時が同定できる記憶ではないのが残念である。

強烈な経験やインパクトの強い光景ならば,2歳以前でも記憶に残る,と何かの本で読んだことがある。これはどちらかというと恐怖など悪い意味でのインパクトらしいので,ただどこかに行ったとか誰かに会ったとかいう程度では記憶に残りにくい。私の場合も,最初の記憶ではないが,おそらくいま思い出せるうちの2番目か3番目であろう記憶は,当時住んでいた大阪の家で夕立ちの雷鳴にひどく怯えているというもので,おそらく3歳以前のはずである。

はっきりとした記憶ではなくとも,赤ん坊の頃に頻繁に聞いた音楽は深層記憶に残っているらしいという話もある。「子供にバッハなど分かるはずがない」と童謡ばかり聞かせるのは大間違いなのである。同様に(←この語呂合わせはどうよ),胎児の頃からすでに母国語のリズムを獲得し始めているという説もある。母胎内で周囲の人々の喋ることばを聴いているというのである。乳児期に母国語以外の言語を多く耳にすると,将来その言語の発音やリズムに適応しやすいとも言われる。

さて,有名な塔よりも地面の模様のほうが気になっていたらしい我が家の王子だが,将来再びこの地を訪れたときに何を思うのか,はてまたこの僅かな期間に浴びるように耳にした異国の言葉のリズムを深層心理のどこかに蓄えておいてくれるのだろうか,ちょっぴり楽しみである。(単なる親バカ,などと言わぬように。)

エッフェル塔
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2005年08月20日

ダイヤ

コンピエーニュからパリまでは,鉄道で約45分から1時間20分である。所要時間に差があるのは,列車によって途中の停車駅が異なるからで,最速の場合はコンピエーニュの次が終着のパリ北駅(Gare du Nord)である。いわゆる「近郊型電車」とでも言うべき2階建ての列車もあれば,遥か遠くの始発駅からパリに向かう長距離列車もあり,どちらのタイプでも同じ切符で乗れる。ちなみに2等車で大人片道11.90ユーロ。いまは1ユーロ150円近い交換レートなので,日本円にすると1,500円以上になり,さほど安くはない。

フランス国鉄の幹線なので,乗り心地はなかなか良く,時速120〜130kmほどで快走する。少々長いが乗ってしまえば楽にパリにたどり着ける。もっとも,パリ市内の目的地によっては,北駅からメトロを乗り継いで行く必要があるので極めて便利というほどでもないが。

ところで,不思議なのは列車ダイヤである。平日のコンピエーニュ発パリ行き列車の時刻をすべて書くと以下のようになる(2005年8月現在;不定期列車は含まず)。

5:04 5:59 6:21 6:52 6:57 7:08 7:39 7:58 8:08 9:05 10:59 12:08 12:42 16:09 16:40 17:19 18:04 18:19 19:09 20:32 20:47

朝夕のラッシュ時にはそれなりに本数があるし,まぁ妥当なダイヤに見えなくもないが,よく見ると12:42発の次が16:09発である。一度,その16:09発に乗ってみたことがある。3時間以上も間隔が空いた次の初列車なのでさぞ混雑するかと思いきや,そうでもなかったところを見ると,これが乗客の動きを反映した最適なダイヤなのだろう。ちなみに休日ダイヤでは次のようになる。

6:45 6:52 7:50 8:08 9:04 10:47 12:08 12:26 15:26 16:09 17:19 18:04 18:19 19:09 20:12 20:45 21:40

こちらもやはり12:26から15:26までの3時間は列車がない。

平日も休日もお昼過ぎから3時間も間隔が空くのは,おそらく午前中の列車はコンピエーニュからパリに出かける人のための,夕方から夜の列車はコンピエーニュからパリに帰る人のためのものであり,その間の中途半端な時間に行き来する人々がほとんどいないためであろうと思われる。こういうことからも,国民性が読み取れて面白い。
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2005年08月19日

3人の兵隊

コンピエーニュの町のシンボル,中世に建てられたというゴシック様式の市庁舎のてっぺん近くに3人の兵隊がいる。毎時00分と30分に鳴る鐘は,よく見るとこの3人の兵隊が鳴らしているらしい。が,カメラでズームインしてもよく分からないなぁ。

3人の兵隊

ところで,このコンピエーニュという町,少なくとも日本では,観光地としてはほとんど知られていないようだし(出発前にいくつかの旅行ガイドブックを見たのだが,コンピエーニュを紹介しているものは僅かしかなく,そのいずれもが半ページか1ページ程度で済ませているのだ),仕事目的の滞在なのであまり下調べもしなかったのだが,歴史的には実に面白い場所であることが住んでみて初めて分かった。

まず,ジャンヌ・ダルクが魔女裁判にかけられるために捕らえられた場所らしい。また,フランス革命以前に最後の宮殿が建てられた場所らしい。さらに,マリー・アントワネットがルイ16世と初めて会った場所らしい。

「住めば都」的な見地を抜きにしても,観光客は少なく静かだし,建物はどれも石造りで風情たっぷりだし,並木や花壇は美しいし,パリなどには多い落書きなどもほとんどなく,道も綺麗で,住んでいる人々も皆親切で,来る前に予想していたよりもずっと素敵な町である。

ちなみに,Googleに「コンピエーニュ」とカタカナで入れると4,720件しかヒットしない。パリは1,390,000件,ベルサイユは312,000件,アミアンは17,900件,シャンティイは9,200件に対してである。「コンピエーニュ 市庁舎 兵隊」はたったの4件である。もしかしたらコンピエーニュの観光案内のページでも作るとヒット数急増で,アフィリエイト収入も急増,なんてことはないか。
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世界最速

設置当初に転倒者が続出して一時閉鎖された時速9kmのムービングウォーク(フランス語で Trottoir roulant)。乗った直後はゆっくり,その後の加速ゾーンで徐々に加速して時速9kmになるという不思議な構造をしている。加速ゾーンでは床がそろばんのようになっており,その1つ1つの駒の間隔をだんだん広くすることでそういう動きを可能にしている。よほど評判を呼んだと見えて,入口にはこのような巨大な表示が,近くの壁には構造の説明が書いてあった。

時速9km

パリの新都心,モンパルナスのメトロ駅(Montparnasse Bienvenüe)の4号線・12号線と6号線・13号線を結ぶ長い通路にある。中央の列のみ高速で,両脇は普通の速度(時速3km)。

4号線から6号線に乗り換えるのに,2つ隣りの Raspail か3つ隣りの Denfert Rochereau のほうがずっと近いのを知りつつ,このムービングウォークを観察するためにわざわざ Montparnasse で乗り換えた物好き。
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[仏語] サ・エ・サ

お店で買い物したりレストランでメニューを見ながら注文したりする場合,いちいち商品や料理の名前を言わずとも,「えーと,これと,これを,ください」と言えば簡単である。英語でも this one and this one と指差しながら買うことはよくある。もっとも,遠くにあるものを指して that one and that one ではうまく通じないかもしれぬが。

フランス語で「これとこれ」は "ça et ça" で「サ・エ・サ」と発音する。「これとこれとこれ」は「サ・エ・サ・エ・サ」だし,「これとこれとこれとこれとこれ」は「サ・エ・サ・エ・サ・エ・サ・エ・サ」である。って当たり前か。

ça は,どちらかというと話し言葉でよく用いられ,cela(それ)と ceci(これ)のいずれの代用にもなるので,英語の this one よりも少し広い感じで,少し遠くにあるものに対しても使える。

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2005年08月16日

[仏語] メルスィ

フランス語の /r/ は,英語の /r/ とは発音が異なる。日本語の「ら」行とももちろん異なる。ドイツ語の /r/ に少し近いが,ドイツ語ほど巻き舌の巻き方は鋭くない。いずれにせよ,練習しないとちゃんと発音するのは少々難しい。(ちなみに練習すればすぐにそれなりに発音できるようになる。)

最も重要なフランス語かと思われる Bonjour と Merci と Pardon のいずれにも,この難しい /r/ が含まれている。日本語的に「メルスィ」と喋ると少々本物とは違う。「ル」は巻き舌で,少し息が閉塞するような感じで発音する。極端に書けば「メゴスィ」のように聞こえる。ドイツ語で「なぜ?」を Warum?(ヴァルム)と言うが,いつ聞いても「ヴァゴム」と聞こえる。フランス語はそれほど顕著な巻き舌ではない。

丁寧に言うときは Merci beaucoup.(メルスィボークー)と言い,これもほんのちょっとでもフランス語の知識があれば誰でも知っているが,Bien を付けて Merci bien.(メルスィビァン)と言うこともある。英語の No, thank you. は,そのまま Non, merci. である。

Merci. に対して「どういたしまして」と言うには,Je vous en prie.(ジュヴザンプリ)でよいが,「どうってことないよ」という意味で De rien.(ドリャン)と言ったりもする。
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[仏語] ボンジュール

おそらくは最も有名なフランス語であろう。私も,12年前に渡仏したときにはボンジュールとメルシーとパルドンくらいしか知らなかった。

Bonjour. と書く。しまいの /r/ は,フランス語特有の巻き舌発音なので,はっきり「ル」とは聞こえない。聞いた感じは「ボンジュー」である。アクセントは通常「ジュー」に置かれるが,ときどき頭の「ボン」にアクセントを付ける人もいる。ちなみに Bon は英語の Good,Jour は Day である。(英語で言えば中学1年生程度の知識ですな。)

夕方6時すぎくらいになると,この挨拶は Bonsoir.(ボンソワール)に取って代わる。これも「ボンソワー」と聞こえる。Soir は英語の Evening である。
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2005年08月15日

[仏語] セトゥ

アメリカとフランスの微妙な文化の違いを示す面白い例。

スーパーのお惣菜売場などで,ショーケースの中の物を指して,これを何グラムくれ,などと買い物をすると,アメリカではほぼ必ずと言っていいほど,

Anything else?

と聞かれた。こちらは最初から他の物など買う気はないので,頼んだ物だけをくれればよいのだが,商売する側としては「他にも何かいかが?」と言いたいわけで,某ピザ屋にピザ1枚の宅配を頼むと,サラダはいかが? デザートはいかが? と聞いてくるようなものである。

フランスでも同様のことが起こるが,決まり文句は,

C'est tout? (セトゥ?)

であり,意味は「これで全部か」である。他の物を買うことをデフォルトにする(アメリカ)か,買わないことをデフォルトにする(フランス)かの違いはちょっと面白い。
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[仏語] ヴォワラ

何かを差し出すときに,英語では Here you are. とか Here it is. と言うが,それに相当することば。Voila と書く。単に「はい」「どうぞ」という意味もあり,La voila. と言うのが正確だが,La は省略して「ヴォワラ」と言う。

似た言葉に Voici(ヴォワシ)というのがあり,la が英語の that,ci が英語の this なので Voila よりも近くにある(「あれ」に対して「これ」)ものにはこちらのほうが妥当なのだが,頻度としては Voici も含めて Voila と言うことが多いようである。

お店で何か商品を探してもらったり,レストランなどで料理を注文したりしたときに,その商品や料理が届けられるときに Voila! と言われることが多い。ニュアンスは「どうぞ」だが,日本語の語呂から言えば「ほーら」に近い。「ほら」と「ヴォワラ」は似てなくもないな。もしかしたら語源だったりして。
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[仏語] ダッコ

英語でもそうだが,フランス語でも,語学書を開くとたとえば Je suis japonais. だとか Je m'appelle 〜. だとかが最初のほうに出ている。それはそれで大事なのだが,拙著でも触れたように,むしろ日常的によく耳にする「ちょっとした一言」のほうが重要な気がする。

これは私自身の場合だが,英語の語学力を10とするとフランス語に関してはまだ1以下と思われるので(ドイツ語で1くらい),英語と同じように基礎知識を披露する段階には至っていないし,フランス語を聞いても早口で喋られると何が何だかさっぱり分からないのだが,ことばというのは面白いもので,たびたび同じフレーズを聞いているといつの間にか覚えてしまう。

12年前に,数ヶ月間ひとりぼっちでフランス生活を送っていたときにも,あまりフランス語の勉強はしなかったが無意識にいろいろなフレーズを覚えてしまい,帰国直前にはそれなりに「カタコトの」会話が成り立つようになっていた,はずである。数年経ってすっかり忘れてしまった,と自分では思っていたのだが,今回再びフランスで生活を始めると,みるみる間に当時の記憶がどこかからよみがえり,かつて覚えたフレーズはだいたい聞くと分かるし,自分でも口にできてしまうのである。不思議である。

そういうわけで,「フランス語の基礎知識」には程遠いが,これから時々フランス語の話を書いてみることにする。

まずはじめは「ダッコ」でしょうか。本当にこの言葉はよく耳にする。正確には,

D'accord.

で,「分かりました」の意。「分かった?」と聞くのに語尾を上げても使える。フランス語の Accord とは英語の Accord と同じ「調和」という意味も持つが,この場合は「同意」「賛成」の意味である。英語の I see. や O.K. と同じ意味だから,よく聞くのも無理はない。
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メトロのバギー

石畳も難儀であるが,パリのメトロに乗るのも難儀である。

概して駅が古くて小さいので,エレベータやエスカレータはほとんどない。乗り換え駅などは迷路のようで,階段を上り下りしなければならない。一度上って少し通路を歩くとまた下り,さらにまた上る,というような駅もけっこうある。乗り換え自体は案内表示がしっかりしているので分かりやすいのだが。

最も難行なのは,改札の通過である。パリのメトロは入口に自動改札機がある。最もよく見かけるタイプは,切符を通すと,前方にあるバーが緩んでそれを押して通過できるというものだが,そのバーがただの蝶番式ではなく,正四面体の3辺というか三脚の脚部が横に出ているような格好をしているので,人は通れてもバギー(や大きな荷物)は通れないのだ。

いちおう,自動改札が並んでいる脇に,開け閉めできる柵があるのだが,いつも駅の係員がいるとは限らず,頼んで開けてもらうのには時間がかかる。したがって,妻と私のどちらかが息子を抱いて,もう1人がバギーを畳み,三脚型バーに引っかからぬように上に持ち上げて改札を通過するはめになる。2人でもこうなのだから,バギーの子供と親1人でメトロに乗るのはほとんど不可能と思われる。(実際,Web上を検索してみたら,そのような体験談がたくさん書いてあった。)

メトロの車内もとても狭い。その上,混雑するときは東京の地下鉄並みに混むので,バギーごと乗せると顰蹙である。1人が抱いて,1人が畳んだバギーを持ち込むことになる。感心なのは,子供を抱いてメトロに乗ると,ほぼ必ず座席を譲ってもらえることである。
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石畳

パリの街を歩いていると,ときどき道路(車道や歩道)が「石畳」になっているところがある。フランス語では pave(パヴェ)と言う。日本でも,神社の境内や観光地の遊歩道などではよく見かけるが,ごく普通の生活道路が石畳なのである。パリに限らずヨーロッパの古い町は同様で,コンピエーニュにも石畳の道が多く残っている。

以前は,旅行中などにそういう石畳の道に出会うと,何とも風情があって靴底の感覚も愉しくて素敵だと思った。が,いまは違う。1人で歩く場合はよいのだが,バギー(フランス語では poussette と言う)を押して歩くのはあまりに難儀だからである。石畳でない(アスファルトやコンクリートで舗装してある)部分や迂回路があればよいが,ない場合,そのまま突っ込むとバギー内の息子は全身バイブレータ状態になるので,仕方なく抱いてやる。すると空になったバギーは石畳の上を飛び跳ねて進むようになり,持ち上げて歩くほうが楽なくらいである。

我々が使っているバギーは,MACLAREN 社(F1 の McLaren 社とは別)製の比較的頑丈な造りのもので(ちなみにフランスでは MACLAREN のバギーをよく見かける),砂利道を歩いてもビクともしないのだが,石畳の連続にはどうにも耐えられない。
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